取引先への返信、日程調整、謝罪、社内報告など、ビジネスメールは文章を考える前の情報整理に時間がかかります。ChatGPTを使えば、相手、目的、伝える内容、希望する対応を入力するだけで、件名を含むメールの下書きを短時間で作成できます。
ただし、生成された文章を確認せずに送信するのは避けてください。宛名、日付、金額、固有名詞、添付ファイルの有無などは人が確認する必要があります。ここでは、初心者でも使えるコピペ用プロンプトと、依頼、謝罪、日程調整などの実務例を紹介します。
ChatGPTならメモからビジネスメールを作成できる
ChatGPTは、箇条書きのメモをビジネスメールに整えたり、すでに書いた文章を丁寧な表現へ修正したりする用途に使えます。OpenAIも、ChatGPTの活用例としてメッセージの下書き作成や文章の編集を案内しています。
最初に必要なのは、完璧な文章ではありません。次のような簡単なメモで十分です。
株式会社山田商事の佐藤さんに打ち合わせ日程を確認したい。候補日は8月6日午前、8月7日午後、8月8日午前。オンライン会議を希望。丁寧だが堅すぎない文章にしたい。
この情報をChatGPTへ入力し、メール形式に整えるよう依頼すれば、件名、宛名、本文、結びを含む下書きを作成できます。
最短1分でメールを作るコピペ用プロンプト
急いでメールを作成したいときは、次のプロンプトをコピーし、角括弧の部分だけ変更してください。
あなたは日本企業のビジネスメール作成に詳しいアシスタントです。
次の条件で、送信前の下書きを作成してください。
相手:[会社名、部署名、氏名]
メールの目的:[依頼、確認、謝罪、報告、日程調整など]
伝える内容:
・[内容1]
・[内容2]
・[内容3]
相手にお願いしたいこと:[返信、確認、対応、承認など]
希望期限:[期限がある場合のみ]
文体:[丁寧、やわらかめ、簡潔、社内向けなど]
文章量:[200文字程度、短めなど]
出力条件:
・件名を3案作成する
・宛名、挨拶、本文、結びを含める
・結論と依頼内容を分かりやすくする
・事実として与えていない情報を追加しない
・日付、金額、氏名、会社名は入力内容をそのまま使う
・不足している情報は推測せず、[要確認]と表示する
このプロンプトのポイントは、単に「メールを書いて」と依頼せず、相手、目的、要点、希望する対応を分けて伝えることです。
OpenAIのプロンプト作成ガイドでも、作業内容を明確にし、必要な背景、希望する文体、出力形式を具体的に伝える方法が案内されています。

メール作成で入力する6つの項目
| 項目 | 入力する内容 | 入力例 |
|---|---|---|
| 相手 | 会社名、部署、氏名、関係性 | 取引先の営業担当者 |
| 目的 | メールを送る理由 | 打ち合わせ日程の調整 |
| 要点 | 必ず伝えたい事実 | 候補日時を3つ提示する |
| 依頼 | 相手にしてほしい行動 | 都合のよい日時を返信してもらう |
| 文体 | 丁寧さや文章の雰囲気 | 丁寧だが堅すぎない |
| 文章量 | 希望する長さ | 300文字以内 |
すべての項目を埋める必要はありません。ただし、目的と相手にしてほしい行動が曖昧なままだと、結論の分かりにくいメールになりやすいため注意してください。
ChatGPTでメールを作成する手順
1.メールに必要な情報を箇条書きにする
いきなり文章を作ろうとせず、最初に事実だけを整理します。次の5項目を書き出すと、短時間で入力内容を準備できます。
- 誰に送るのか
- 何について連絡するのか
- 相手に伝える事実は何か
- 相手に何をしてほしいのか
- いつまでに対応してほしいのか
たとえば、見積書の再送を依頼する場合は、次のように整理します。
相手:株式会社青山製作所の鈴木様
目的:見積書の再送依頼
事実:7月30日に送付された見積書を確認できない
依頼:PDF形式で再送してほしい
期限:8月5日の午前中まで
2.ChatGPTへプロンプトを入力する
ChatGPT公式サイトを開き、整理した情報をプロンプトへ入力します。メール本文だけでなく件名も必要な場合は、「件名を3案作成してください」と指定しておくと選びやすくなります。
入力例は次のとおりです。
次の情報を基に、取引先へ送るビジネスメールを作成してください。
相手:株式会社青山製作所 営業部 鈴木様
目的:見積書の再送依頼
状況:7月30日に送付いただいた見積書を確認できていない
依頼:PDF形式で再送してほしい
希望期限:8月5日午前中
文体:丁寧で簡潔
文章量:300文字以内
件名を3案提示し、事実として入力していない内容は追加しないでください。
3.生成されたメールを修正する
最初の回答が長すぎたり、表現が堅すぎたりした場合は、最初から入力し直す必要はありません。同じチャットで修正内容を伝えます。
内容は変えず、本文を200文字以内に短くしてください。
依頼部分が分かりやすいように、結論を先にしてください。
相手を責めているように見えない表現へ修正してください。
修正を重ねるときは、「内容は変えず」「日付は変更せず」など、維持する条件も明記すると意図しない変更を防ぎやすくなります。
4.事実関係を確認してから送信する
完成した文章は、メールソフトへ貼り付ける前に次の項目を確認します。
- 相手の会社名、部署名、役職、氏名が正しいか
- 日付、曜日、時刻が一致しているか
- 金額、数量、商品名、案件名が正しいか
- 返信期限や対応期限が明確か
- 添付すると書いたファイルを実際に添付したか
- 相手にしてほしい行動が伝わるか
- 不要な謝罪や過度な敬語が含まれていないか
生成された曜日は、入力した日付と一致しているか確認してください。特に翌月や翌年の日程を案内するときは、カレンダーとの照合が必要です。
場面別のメール作成プロンプト
打ち合わせの日程を調整する
取引先へ打ち合わせ候補日を確認するメールを作成してください。
相手:株式会社山田商事 営業部 佐藤様
目的:新システム導入に関する打ち合わせの日程調整
候補日時:
・8月6日 10時から11時
・8月7日 14時から15時
・8月8日 10時から11時
実施方法:オンライン会議
依頼:都合のよい日時を返信してもらう
文体:丁寧だが堅すぎない
文章量:300文字以内
件名を3案作成してください。
日程調整では、候補日時だけでなく、所要時間と実施方法も入力します。候補が合わない場合の対応も入れたいときは、「候補日が難しい場合は別の希望日時を知らせてもらう一文を追加してください」と指定します。
返信が遅れたことを謝罪する
取引先への返信が遅れたことを謝罪するメールを作成してください。
相手:株式会社中央企画 総務部 高橋様
状況:7月31日に受け取った問い合わせへの返信が8月3日になった
理由:社内確認に時間がかかった
伝える内容:問い合わせの件は対応可能
今後の対応:詳細資料を8月5日までに送付する
文体:誠実で簡潔
条件:
・言い訳に見えない文章にする
・過度に謝りすぎない
・今後の対応を明確にする
・件名を3案作成する
謝罪メールでは、謝罪だけで本文を終わらせないことが大切です。「現在の状況」と「次に行う対応」を入力すると、相手が判断しやすいメールになります。
資料の確認を依頼する
社内の上司へ資料確認を依頼するメールを作成してください。
相手:営業部長
資料:8月20日の営業会議で使用する上期実績報告書
確認してほしい内容:
・売上数値
・今期の課題
・次期施策の記載内容
希望期限:8月10日17時
添付ファイル名:2026年上期営業実績報告書.pdf
文体:社内向けで簡潔
文章量:250文字以内
相手にしてほしい行動が明確に伝わる文章にしてください。
社内メールでは、過度に丁寧な挨拶よりも、確認対象と期限を分かりやすく伝えることを優先します。
催促している印象を弱めて状況を確認する
取引先へ進捗状況を確認するメールを作成してください。
相手:株式会社北村システム 開発部 田中様
確認したい内容:システム改修の見積書の作成状況
当初の予定:7月31日までに受領予定
現在:8月3日時点で未着
こちらの事情:8月7日の社内会議で検討したい
文体:丁寧でやわらかい
条件:
・相手を責めない
・催促している印象を強くしすぎない
・現在の見込み日を確認する
・件名を3案作成する
催促メールでは、「まだ届いていません」と指摘するだけでなく、確認が必要な理由を簡潔に伝えます。事情を説明することで、相手も優先度を判断しやすくなります。
受信したメールへの返信文を作る
受信メールを基に返信したい場合は、元のメールと返信方針を分けて入力します。
次の受信メールへの返信文を作成してください。
返信方針:
・提案内容を承諾する
・打ち合わせは8月7日14時を希望する
・オンライン会議のURLを送ってもらう
・丁寧で簡潔な文章にする
受信メール:
ここに相手から届いたメール本文を貼り付けます。
出力条件:
・件名は返信メールに適した形にする
・相手の質問へ漏れなく回答する
・受信メールにない事実を追加しない
・個人情報や署名部分は本文へ再掲しない
受信メールを貼り付ける場合は、個人の電話番号、住所、顧客番号、契約情報など、返信文の作成に不要な情報を削除してください。

メールを自然な文章に直す追加指示
ChatGPTが作成したメールに違和感があるときは、問題点を具体的に伝えます。「自然にしてください」だけでは、どこを変更するかが曖昧です。
| 直したい部分 | 追加する指示 |
|---|---|
| 文章が長い | 要点を変えず、本文を200文字以内にしてください |
| 表現が堅い | 長く付き合いのある取引先向けに、少しやわらかくしてください |
| 結論が遅い | メールの目的と依頼内容を最初の段落に移動してください |
| 謝罪が多い | 謝罪表現は冒頭の1回だけにし、今後の対応を中心にしてください |
| 依頼が曖昧 | 相手にしてほしい行動と回答期限を明確にしてください |
| 文章が機械的 | 意味を変えず、日本企業の実務メールとして自然な表現にしてください |
| 件名が長い | 用件が分かる20文字前後の件名を5案作成してください |
自分で書いたメールを添削するプロンプト
次のビジネスメールを添削してください。
確認する項目:
・相手に失礼な表現がないか
・結論と依頼内容が分かりやすいか
・同じ意味の文章を繰り返していないか
・敬語が不自然ではないか
・日付、金額、会社名などの事実を変更していないか
修正後のメールを提示した後、変更した箇所と理由を簡潔に説明してください。
メール本文:
ここに自分で作成した文章を貼り付けます。
修正箇所だけでなく理由も出力させると、自分の文章の癖を確認できます。毎回同じ表現を修正される場合は、その内容を次回のプロンプトへ追加すると効率的です。
ChatGPTで作ったメールが不自然になる原因
相手との関係を入力していない
初めて連絡する相手と、日常的に連絡している社内メンバーでは、適切な文体が異なります。「取引先」「初めて連絡する相手」「社内の上司」「同じ部署の担当者」など、関係性を入力してください。
目的が複数混在している
一通のメールに、謝罪、報告、日程調整、資料依頼を詰め込むと、相手が何をすればよいのか分かりにくくなります。内容を分けられない場合は、優先順位を指定します。
最も重要な目的は、8月10日までに資料を確認してもらうことです。
進捗報告は補足として短く記載してください。
文章の長さを指定していない
ChatGPTは、必要以上に丁寧な説明や挨拶を加える場合があります。「300文字以内」「3段落」「要点を箇条書き」など、出力の長さと形を指定してください。
不足情報を推測させている
担当者名、期限、金額などが不足していると、文脈に合いそうな内容が補われる場合があります。推測を防ぐため、次の指示を加えます。
入力されていない会社名、氏名、日付、金額、予定を推測しないでください。
不足している箇所は[要確認]と表示してください。
機密情報や個人情報を入力しない
ChatGPTで業務メールを作成するときは、社内規定と情報管理ルールを優先してください。顧客の個人情報、未公開の人事情報、パスワード、契約上の秘密、口座情報などを、そのまま入力するのは避けます。
入力前に匿名化する
| 元の情報 | 入力時の置き換え例 |
|---|---|
| 株式会社山田商事 | A社 |
| 山田太郎 | 担当者A |
| 顧客番号123456 | 顧客番号は入力しない |
| 見積金額1,248,000円 | 約125万円または[金額] |
| 未公開の商品名 | 新商品A |
メールの構成だけを作成させ、会社名、氏名、金額などを後から自分で入力する方法も有効です。
Temporary Chatも情報入力の許可にはならない
ChatGPTには、履歴へ表示されず、メモリを使用または作成せず、モデルの学習にも使われないTemporary Chatがあります。OpenAIはTemporary Chatについて、システムから30日以内に削除されると案内しています。画面上の名称や開始方法は変更される場合があるため、利用時はOpenAIのData Controls FAQで最新情報を確認してください。
ただし、Temporary Chatを使えば、会社が入力を禁止している情報を送信してよいという意味ではありません。勤務先の生成AI利用規程や、取引先との秘密保持契約を優先してください。

本文の作成に不要な情報は入力しないことが基本です。実名や案件名がなくても作れる場合は、仮名や記号へ置き換えてから利用してください。
ChatGPTに任せやすいメールと人が判断すべきメール
| 用途 | ChatGPTの利用 | 人が確認するポイント |
|---|---|---|
| 日程調整 | 下書き作成に向いている | 日付、曜日、時刻、参加者 |
| 資料送付 | 定型文の作成に向いている | 添付ファイル、ファイル名、送付先 |
| 社内報告 | 要点整理に向いている | 数値、責任範囲、公開範囲 |
| 謝罪 | 文章整理の補助に使える | 事実関係、責任、補償、今後の対応 |
| 契約条件の変更 | 構成案の作成にとどめる | 法的意味、契約内容、承認状況 |
| 人事評価や処分 | 慎重な判断が必要 | 社内規定、プライバシー、公平性 |
| 重大なクレーム対応 | 下書きだけに使用する | 事実確認、責任者の承認、補償表現 |
日程調整や資料送付のように、伝える事実と相手に求める行動が明確なメールは下書きを作りやすい分野です。一方、法的責任、補償、人事判断などに関わるメールは、担当部署や責任者の確認を受けてください。
よくある質問
ChatGPTは無料でもメール作成に使えますか
利用可能なプランや機能の範囲内で、メールの下書きや文章の修正に利用できます。料金や利用制限は変更される可能性があるため、利用時にChatGPTの公式画面で確認してください。
受信メールをそのまま貼り付けても大丈夫ですか
そのまま貼り付けるのではなく、署名、電話番号、住所、顧客番号、契約情報など、返信作成に不要な情報を削除してください。会社の規定で外部サービスへの入力が禁止されている場合は、受信メールを入力せず、要点だけを匿名化して使用します。
敬語が正しいかどうかも確認できますか
敬語や表現の修正には利用できます。ただし、相手との関係、業界の慣習、社内ルールまでは自動で判断できない場合があります。「初めて連絡する取引先」「日常的に連絡している上司」などの関係性を入力し、最後は自分で確認してください。
英語のビジネスメールも作成できますか
英語メールの作成や翻訳にも利用できます。直訳調になるのを防ぐには、相手の国や地域、関係性、メールの目的、希望する文体を入力します。専門的な契約表現や法的な文章は、詳しい担当者による確認が必要です。
毎回同じ説明を入力する手間を減らせますか
自分の役職、一般的な文体、署名を除いたメールの基本ルールなどをテンプレートとして保存しておくと効率的です。ただし、送信先や目的に合わない条件まで使い回さないよう、メールごとに確認してください。
ChatGPTが作った文章だと相手に分かりますか
定型的な挨拶や長い説明が続くと、不自然な印象を与える場合があります。自分が普段使わない表現を削除し、相手との関係に合った言葉へ修正してください。生成された文章をそのまま送るのではなく、下書きとして扱うことが基本です。
まとめ
- 相手、目的、伝える内容、依頼、期限、文体を入力するとメールを作りやすい
- 箇条書きのメモからでも、件名を含むビジネスメールの下書きを作成できる
- 長さや丁寧さが合わない場合は、同じチャットで具体的な修正を依頼する
- 宛名、日付、金額、添付ファイル、固有名詞は送信前に人が確認する
- 個人情報や機密情報は入力せず、必要に応じて匿名化する
最初は、日程調整や資料確認など、事実と依頼内容が明確なメールから試してください。コピペ用プロンプトへ必要な情報を入力し、生成された文章を自分の言葉に整えてから送信することで、メール作成にかかる時間を減らせます。


