ChatGPTプロンプトとは?初心者向けにわかりやすく解説【例文付き】

ChatGPT

ChatGPTに質問しても、回答が曖昧だったり、求めていた形式と違ったりすることがあります。原因の一つは、AIに入力する「プロンプト」の情報が不足していることです。プロンプトは難しい専門用語を並べるものではありません。目的、背景、条件、出力形式を分かりやすく伝えるだけでも、回答の精度は改善できます。ここでは、プロンプトの基本的な意味から作り方、仕事で使える例文、うまくいかないときの直し方まで、初心者向けに具体例を交えて解説します。

ChatGPTのプロンプトとはAIに渡す指示や質問のこと

プロンプトとは、ChatGPTなどの生成AIに入力する指示、質問、依頼、参考情報などの総称です。

たとえば、「会議のお礼メールを作ってください」という短い文章もプロンプトです。メールの宛先、目的、伝えたい内容、文章の長さまで指定した詳しい依頼も、同じくプロンプトに該当します。

OpenAIの公式ヘルプでは、プロンプトを「会話を開始したり、モデルから応答を引き出したりする入力」と説明しています。テキストだけでなく、画像や音声などを入力して依頼する場合もあります。

OpenAI公式:ChatGPT向けプロンプトエンジニアリングのベストプラクティス

プロンプトは特別な呪文ではない

プロンプトと聞くと、決まった命令文や複雑な書式が必要だと思われがちです。しかし、重要なのは専門的な言葉を使うことではなく、「何をしてほしいのか」を相手に伝わる形で整理することです。

人に仕事を依頼するときも、「資料を作って」だけでは、目的や対象者、必要な項目が分かりません。ChatGPTへの依頼も同じです。必要な背景や条件を補うほど、希望に近い回答を得やすくなります。

プロンプトエンジニアリングとの違い

プロンプトエンジニアリングとは、生成AIから目的に合った回答を得るために、プロンプトを設計し、結果を見ながら改善する取り組みです。

一度で完璧な文章を作ることだけを意味するわけではありません。最初の回答を確認し、「もう少し短くしてください」「初心者向けに言い換えてください」などと追加で指示することも、プロンプトを改善する方法の一つです。OpenAIも、回答を確認しながら言い回しや背景情報を調整する反復的な進め方を案内しています。

良いプロンプトを作る5つの基本要素

プロンプトに毎回すべての項目を入れる必要はありません。ただし、回答が曖昧になる場合は、次の5つの要素が不足していないか確認すると改善しやすくなります。

要素伝える内容入力例
目的何を作成・分析してほしいか取引先へのお礼メールを作成する
背景誰が、どのような状況で使うか初めて商談した相手に送る
入力情報回答に使用してほしい事実や資料商談日、相手の名前、話した内容
条件文字数、禁止事項、文体など300文字以内、丁寧語、営業色を抑える
出力形式文章、表、箇条書きなど件名と本文を分けて出力する

1.目的を最初に伝える

最初に、ChatGPTへ何をしてほしいのかを明確にします。

「文章について教えてください」では、解説、添削、要約、翻訳のどれを求めているのか判断できません。「次の文章を取引先向けのメールに書き直してください」と伝えると、作業内容が明確になります。

2.背景と対象者を伝える

同じ内容でも、誰が読むかによって適切な言葉は変わります。

  • 社内の上司に送る
  • 初めて連絡する取引先に送る
  • 専門知識のない顧客に説明する
  • 小学生向けに説明する

このような対象者を指定すると、用語の難しさ、文章の丁寧さ、説明の詳しさを調整しやすくなります。

3.回答に必要な情報を渡す

ChatGPTが知らない社内事情、会議内容、商品情報、数値などは、プロンプト内に記載する必要があります。

議事録を作る場合は会議メモを、メールを作る場合は伝えたい要点を、表計算の関数を作る場合は列名やセル範囲を入力します。情報が不足している状態では、自然な文章を生成できても、実際の状況と合わない内容になる可能性があります。

4.条件を具体的な数値で示す

「短くしてください」よりも、「200文字以内にしてください」のほうが基準が明確です。

OpenAIの公式ガイドでも、文脈、結果、長さ、形式、文体などを具体的に指定する方法が紹介されています。曖昧な表現を避け、必要な条件を数値や項目で示すと、回答を確認しやすくなります。

  • 300文字以内にする
  • 箇条書きを5項目にする
  • 専門用語を使わない
  • 丁寧で親しみやすい文体にする
  • 表の列を「項目・内容・期限」にする

5.出力形式を指定する

内容が正しくても、希望する形式でなければ修正作業が増えてしまいます。

表、箇条書き、手順書、メール、HTMLなど、使用目的に合った形式を指定します。形式が複雑な場合は、見本を1件示す方法も有効です。

プロンプトを長くすることが目的ではありません。回答に必要な情報だけを残し、目的と条件が一度で把握できるように整理することが大切です。

初心者向けのプロンプト基本テンプレート

何を書けばよいか迷った場合は、次のテンプレートを使用できます。すべての欄を埋める必要はありません。依頼内容に関係する項目だけを残してください。

【目的】
何をしてほしいかを記載してください。

【背景】
誰が、どのような状況で使用するかを記載してください。

【入力情報】
回答に使用してほしい事実、文章、数値、条件を記載してください。

【条件】
文字数、文体、対象者、含める内容、含めない内容を記載してください。

【出力形式】
表、箇条書き、メール、手順書など、希望する形式を記載してください。

【確認事項】
情報が不足している場合は、推測で補わず、不足している項目を示してください。

最後の確認事項は、社内ルールや数値など、推測されたくない情報を扱うときに役立ちます。ただし、ChatGPTの回答を完全に正しいものにする指示ではありません。生成された内容は、使用前に人が確認する必要があります。

悪いプロンプトと改善例

プロンプトは、実際の回答を見ながら改善できます。ここでは、曖昧な依頼をどのように具体化するかを確認します。

メール作成の改善例

次のプロンプトでは、誰に何を伝えるのかが分かりません。

お礼メールを書いてください。

目的、相手、伝えたい内容、文章の条件を追加すると、実務で使いやすくなります。

昨日の商談に対するお礼メールを作成してください。

【相手】
初めて商談した取引先の営業担当者

【伝えたい内容】
・時間を取っていただいたことへのお礼
・在庫管理システムの課題を共有いただいたことへのお礼
・来週中に提案書を送付する予定

【条件】
・丁寧で自然なビジネス文
・過度に営業的な表現は使わない
・本文は300文字以内

【出力形式】
件名と本文を分けて表示してください。

要約の改善例

「要約してください」だけでは、長さや使用目的が分かりません。

次の文章を、新入社員が内容を把握できるように要約してください。

【条件】
・専門用語には短い説明を付ける
・重要な結論を最初に示す
・5項目の箇条書きにする
・各項目は80文字以内

【文章】
ここに要約したい文章を貼り付けます。

アイデア出しの改善例

アイデアを求める場合は、対象者、目的、予算、期間などの制約を伝えます。

社内の紙書類を減らすための改善案を10個提案してください。

【会社の状況】
・従業員30人
・請求書と日報を紙で保管している
・Google Workspaceを利用している
・専任のシステム担当者はいない

【条件】
・初期費用を抑える
・1か月以内に試せる
・専門的な開発を必要としない
・導入難易度を「低・中・高」で示す

【出力形式】
改善案、期待できる効果、必要な準備、導入難易度を表にしてください。

仕事でそのまま使えるプロンプト例文

ここからは、日常業務で使いやすいプロンプト例を紹介します。【】内を自分の状況に合わせて変更してください。

ビジネスメールを作成するプロンプト

次の要点をもとに、取引先へ送るビジネスメールを作成してください。

【宛先】
【相手との関係】
【メールの目的】
【伝えたい要点】
・
・
・

【条件】
・丁寧で自然な日本語
・結論を先に伝える
・本文は400文字以内
・一文を長くしすぎない

【出力形式】
件名:
本文:

長い文章を要約するプロンプト

次の文章を要約してください。

【使用目的】
上司への報告資料に使用します。

【条件】
・最初に結論を示す
・重要な数値を省略しない
・決定事項と未決定事項を分ける
・300文字以内にまとめる
・原文にない情報を追加しない

【文章】
ここに文章を貼り付けます。

会議メモから議事録を作成するプロンプト

次の会議メモをもとに議事録を作成してください。

【条件】
・発言内容をそのまま書き起こすのではなく、要点を整理する
・決定事項、保留事項、担当者、期限を分ける
・担当者や期限が不明な項目は「未確認」と表示する
・会議メモにない事実を追加しない

【出力形式】
1.会議の目的
2.主な議題
3.決定事項
4.保留事項
5.担当者と期限
6.次回までの対応

【会議メモ】
ここに会議メモを貼り付けます。

Excel関数を作成するプロンプト

次の条件を満たすExcel関数を作成してください。

【Excelの環境】
Microsoft 365の日本語環境

【表の構成】
A列:受注日
B列:担当者
C列:商品名
D列:売上金額
E列:対応状況

【実現したいこと】
担当者が「田中」で、対応状況が「完了」の行について、売上金額を合計したいです。

【データ範囲】
2行目から100行目

【出力条件】
・最初にコピーできる完成した関数を表示する
・入力するセルを説明する
・各引数の意味を説明する
・期待される結果の例を示す
・よくあるエラーを説明する
・ExcelとGoogleスプレッドシートで違いがある場合は分けて説明する

文章を校正するプロンプト

次の文章を校正してください。

【確認項目】
・誤字脱字
・助詞の誤り
・同じ語尾の連続
・一文が長すぎる箇所
・意味が曖昧な表現
・過度に断定的な表現

【条件】
・元の意味を変えない
・修正後の全文を最初に表示する
・主な修正点を表で示す
・事実関係は勝手に変更しない

【文章】
ここに校正したい文章を貼り付けます。

複数案を比較するプロンプト

次の条件に合う案を3つ提案し、比較してください。

【目的】
社内の日報作成時間を短縮する

【現在の状況】
・Excelで日報を作成している
・従業員は20人
・管理者が毎日内容を集計している
・Google Workspaceも利用できる

【比較項目】
・導入費用
・導入難易度
・入力のしやすさ
・集計のしやすさ
・運用上の注意点

【出力形式】
最初におすすめ案と理由を示し、その後に比較表を作成してください。

長いプロンプトを一度に入力しない方法

複雑な仕事を依頼するときは、すべての作業を一つのプロンプトに詰め込むより、工程を分けたほうが確認しやすい場合があります。

OpenAIの公式ヘルプでも、複雑な依頼は小さく焦点を絞ったプロンプトに分け、最初の回答を見ながら追加指示を出す方法が案内されています。

記事を作成する場合の分け方

  1. 読者と記事の目的を整理してもらう
  2. 見出し構成を作成してもらう
  3. 見出しごとに本文を作成してもらう
  4. 事実、数値、重複表現を確認する
  5. 文章全体を整えてもらう

途中で内容を確認できるため、最初の認識がずれたまま長い文章が完成するのを防ぎやすくなります。

回答を修正するときの追加プロンプト

先ほどの回答を、次の条件で修正してください。

・結論を最初に移動する
・専門用語を初心者向けに言い換える
・重複している説明を削除する
・手順を番号付きリストにする
・内容や数値を新しく追加しない

毎回最初から入力し直す必要はありません。同じ会話の中で、変更したい部分を具体的に伝えると修正を依頼できます。

プロンプトがうまくいかない主な原因

目的が曖昧になっている

「分かりやすくしてください」「いい感じにしてください」といった依頼だけでは、判断基準が不明確です。

誰にとって分かりやすくするのか、何文字にするのか、どのような場面で使用するのかを追加してください。

必要な情報をChatGPTが知っている前提になっている

ChatGPTは、社内だけで使用している用語、過去の会議内容、顧客との関係、手元にある表の列構成などを自動的に把握できるとは限りません。

回答に必要な事実はプロンプト内に記載します。長い資料を使用する場合は、対象となる文章を明確に区切り、どの部分を処理するのか指定してください。

条件を増やしすぎて矛盾している

「詳しく説明する」「100文字以内にする」「具体例を5つ入れる」など、同時に満たすことが難しい条件を指定すると、回答が不自然になる場合があります。

条件に優先順位を付け、最も重要なものを先に示してください。

【最優先】
結論と期限を正確に伝える

【可能であれば対応】
本文を300文字以内にする

禁止事項だけを並べている

「難しくしない」「長くしない」「曖昧にしない」だけでは、代わりにどのような回答を求めているのかが分かりません。

禁止事項と一緒に、望ましい形を指定します。

曖昧な指定改善した指定
長くしない300文字以内にする
難しい言葉を使わない中学生が理解できる言葉で説明する
曖昧にしない結論、理由、具体例の順で説明する
情報を作らない資料に記載がない項目は「不明」と表示する

一度の回答で完成させようとしている

最初の回答が希望と違っていても、プロンプト全体が失敗したとは限りません。足りない情報を追加し、不要な部分を削除するよう依頼することで改善できます。

修正を依頼するときは、「違います」だけで終わらせず、残す部分、削除する部分、変更後の形式を具体的に伝えると作業が進みやすくなります。

プロンプトを仕事で使うときの注意点

機密情報や個人情報を安易に入力しない

顧客名、住所、電話番号、未公開の売上情報、契約内容、パスワードなどを入力する前に、勤務先の情報管理ルールや利用中のサービス設定を確認してください。

文章の校正や要約に機密情報が必要ない場合は、氏名を「顧客A」、会社名を「取引先B」のように置き換える方法があります。

回答をそのまま事実として使用しない

ChatGPTは自然な文章を生成できても、数値、日付、法律、料金、製品仕様などを誤って出力する可能性があります。

重要な内容は、公式サイト、契約書、社内資料、一次情報などと照合してください。プロンプトに「正確に回答してください」と書くだけで、誤りを完全に防げるわけではありません。

最終判断は人が行う

メールの下書き、文章の整理、アイデア出しなどはAIに任せやすい作業です。一方で、顧客への正式な回答、契約上の判断、人事評価、金額の確定などは、人が内容を確認してから使用する必要があります。

プロンプト作成前のチェックリスト

  • 何をしてほしいのかを最初に書いているか
  • 回答の対象者や使用目的を伝えているか
  • 必要な文章、数値、背景情報を渡しているか
  • 文字数や項目数を具体的に指定しているか
  • 希望する出力形式を示しているか
  • 条件同士が矛盾していないか
  • 機密情報や個人情報が含まれていないか
  • 回答後に人が確認する項目を決めているか

すべてに該当する必要はありません。期待した回答が得られないときに、抜けている項目を追加してください。

よくある質問

プロンプトは長いほど精度が高くなりますか?

長さだけで精度が決まるわけではありません。目的に関係のない説明が多いと、重要な条件が分かりにくくなることもあります。必要な背景、入力情報、条件、出力形式を整理することが大切です。

プロンプトは毎回テンプレートどおりに書く必要がありますか?

必要ありません。「次の文章を200文字以内で要約してください」のような短い依頼で十分な場合もあります。回答が曖昧になるときに、テンプレートを使って不足情報を整理してください。

役割を指定すると回答は良くなりますか?

「あなたは編集者です」「あなたは業務改善担当者です」のような役割指定は、回答の視点を伝える方法として使えます。ただし、役割だけを指定しても、目的や入力情報が不足していれば、希望どおりの回答になるとは限りません。

敬語や文章の雰囲気も指定できますか?

指定できます。「丁寧で落ち着いた文体」「親しみやすいがカジュアルすぎない文章」など、希望する雰囲気を伝えてください。OpenAIの公式ガイドでも、フォーマル、カジュアル、親しみやすい、プロフェッショナルなどの言葉でトーンを指定する方法が紹介されています。

思った回答が出ない場合は最初からやり直すべきですか?

同じ会話の中で追加指示を出せます。「表に変更してください」「2番目の案を残して短くしてください」など、修正内容を具体的に伝えてください。内容が大きく変わる場合や、前の条件が影響している場合は、新しい会話でやり直す方法もあります。

無料版でもプロンプトは使えますか?

プロンプトは、生成AIへ入力する指示そのものです。利用できる機能、モデル、回数などは契約プランや提供状況によって変わる可能性があるため、最新の条件はChatGPTの公式画面や公式ヘルプで確認してください。

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まとめ

  • プロンプトとは、ChatGPTへ入力する指示、質問、参考情報などのこと
  • 目的、背景、入力情報、条件、出力形式を整理すると回答を調整しやすい
  • 文字数や項目数は、「短く」ではなく具体的な数値で指定する
  • 複雑な依頼は工程を分け、回答を確認しながら追加指示を出す
  • 生成された文章や数値は、そのまま使用せず人が最終確認する

最初から完璧なプロンプトを作る必要はありません。まずは「何をしてほしいか」と「どのような形で受け取りたいか」を伝え、回答を見ながら背景や条件を追加してみてください。

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